葉山一郎
日本酒の頼み方がわからない
味噌汁が決まらない日は、心も決まらない
スマート箸置きが、僕の晩酌を採点してくる(短編小説)
納豆の小鉢が、我が家の国境線である
手作りヨーグルトを増やしすぎたら、冷蔵庫が白い文明に占領された話
ぬか床が、そっと励ましてくれた夜
深夜三時、冷蔵庫の奥の異界で、忘れ物が発酵していた
醤油を増やしすぎて、妻に怒られた日
塩麹を育てていたら、こーじろうになった
玄米を続けてわかったこと——正しさより相性で暮らす台所の話
深夜の台所で思い出す——わたしを映す七本の映画
明日こそ包丁を研ぐ——切れ味の鈍った日々のなかで思う
梅干しの種はいつ、口から出すべきか——天神さまと小さな儀式
台所の不条理——タッパーのふたは、どこへ消えるのか
台所で失敗したとき、ふっと浮かぶ偉人たちの言葉
甘いものの前では、文豪も人の子だった
卵焼きの失敗に哲学で言いわけする父の話
パパなんか嫌い、といわれて落ち込む夜に。——思春期の「距離」と、父親ができるたったひとつのこと