冷えがひどい、夏でも手足が冷たい——食卓アドバイザーはやまに相談してみたら

冷えに悩む人

「夏なのに、手足がいつも冷たくて。職場の冷房が辛くて、ひざ掛けが手放せないんです。夜も足が冷たくて、なかなか寝つけなくて……。これって体質だから仕方ないんでしょうか」

30代の働くママさんから、こんな相談をいただきました。

まず最初にひとこと。

体質だから仕方ない——その言葉、今日で忘れてください。

はやま

わたし自身、長い間ひどい冷えに悩まされてきました。足が氷のように冷たくて、高価なメリノウールの靴下を重ね履きしても、湯たんぽを抱えても、どうにもならなかった。あるとき気づいたのです。外から温めても、根本的な解決にはならないぞと。

外から温めても、中が変わらなければ意味がない

冷えで悩んでいたころ、わたしは必死でした。

起きているあいだはウールの靴下。夜は湯たんぽ。それでも足は冷たいまま。布団に入っても、足先が冷たくてなかなか眠れない。

ある日、ふと思いました。

これは血流の問題なのだから、どれだけ外側から温めても、体の中で温かい血液が作られていなければ、手足の先まで届かない。根っこから変えないと、どうにもならない。

そこで決めました。中から変えようと。

食べるものを変え、飲むものを変え、生活習慣を変える。それまでの「その場しのぎ」をやめて、体質そのものを作り変えようと決心しました。

体を温める食べ物、冷やす食べ物

最初に見直したのは、毎日の食事でした。

東洋医学では、食べ物には「体を温める性質」と「体を冷やす性質」があると考えます。冷え性の人は、無意識に体を冷やす食べ物ばかり選んでいることが多いのです。

体を温める食べ物:

  • 根菜類(ごぼう、人参、れんこん)
  • 生姜、ニラ、ねぎ、かぼちゃ
  • 小豆、黒ごま
  • エビ、鶏肉
  • 玄米、もち米
  • 味噌、醤油

体を冷やす食べ物:

  • 南国の果物(バナナ、パイナップル、マンゴー)
  • 生野菜(特にトマト、きゅうり、なす)
  • 白砂糖
  • 冷たい飲み物、アイスクリーム

はやま

夏だからといって、冷たいものばかり食べていると、体の芯が冷えてしまいます。冷え性の人は、夏でも温める食べ物を意識的に選ぶ必要があるのです。

わたしがとくに意識して食べていたのは、小豆です。

小豆には体を温め、余分な水分を排出する力があります。わたしは砂糖を使わず、ただ水と少しので煮ただけの小豆を、煮汁ごと小分けにして冷凍しておきました。それを毎日少しずつ食べる。地味ですが、これが効きました。

エビもよく食べました。エビは体を温め、とくに「腎」を強くする食材です。まあ、もともと好物だから、いまでも毎週一回は食べてますけど(笑)

根菜も欠かせません。ごぼう、人参、れんこん——。地中深くに根を張る野菜は、人間の「根っこ」である足腰を温め、丈夫にしてくれます。きんぴらごぼうは、冷え性の強い味方です。

体を温める食材と冷やす食材

玄米とごま塩、そして味噌汁

主食も見直しました。

白米より玄米、できればもち米を混ぜて炊く。玄米には体を温め、血液を浄化する力があります。玄米についてはすでに書きましたが、冷え性対策としても優秀な食材です。

そして、黒ごま塩。黒ごま8に対して自然塩2の割合で混ぜたものを、玄米にたっぷりかけて食べる。ごまのミネラルが細胞を引き締め、血液を作る手助けをしてくれます。

味噌は毎日欠かさず。味噌は発酵食品で、体を内側から温めてくれます。具には根菜やニラを入れて、温める力をさらに高めました。

はやま

冷えに効くといわれているものを、あれもこれもとたくさん食べる必要はありません。「一汁一菜」でいいので。玄米に黒ごま塩、根菜たっぷりの味噌汁。それだけで冷え性対策の土台はできあがります。

飲み物も、温かく

飲み物も変えました。

アイスコーヒー、冷たいジュース——。そういうものは控えました。喉が渇いたら、温かいお茶。

ただし、ビールだけは別でした(笑) 仕事の後の一杯は譲れない。でも一本飲んだら、そのあとは日本酒を熱燗にするか、焼酎のお湯割りに梅干しを落として飲む。そうやって、体を冷やしすぎないようバランスを取りました。

そして、梅しょう番茶

これは冷え性改善の最強の味方です。熱い番茶に、梅干し、おろし生姜、しょうゆを少量。これを一日一杯か二杯。寝る前にはかならず飲む。

梅の酸味が血液を浄化し、生姜が体の芯から温め、番茶としょうゆの塩気が新陳代謝を高めてくれます。飲んだ瞬間から、体の中がじわっと温まってくるのがわかります。

外側からの手当ても、忘れずに

食事を変えると同時に、外側からの手当ても続けました。

生姜の足湯

寝る前に、熱めのお湯にすりおろした生姜を入れて、足を15分ほど浸す。足の指先には毛細血管が集まっていて、ここを温めることで全身の血行がよくなります。足湯をした夜は、驚くほどぐっすり眠れました。

半身浴も効果的です。みぞおちから下だけをお湯に浸け、20分ほどゆっくり温まる。内臓が温まり、体の芯から冷えが抜けていきます。

はやま

外からの手当てと、中からの食事。両方を組み合わせることで、冷えは確実に改善していきます。即効性を求めず、根気よく続けることが大切です。
冷え対策

変化は、ゆっくりと

こうした生活を三か月ほど続けたころ、気づきました。

あれ、靴下を重ね履きしなくても、足が冷たくないぞ。湯たんぽがなくても、眠れるぞと。

劇的な変化ではありませんでした。でも、確かに変わっていました。血流が改善し、温かい血液が全身をめぐって足の先まで届くようになっていたのです。

冷えは、一日二日で治るものではありません。長い時間をかけて冷えた体は、同じだけの時間をかけて温め直す必要があります。

でも、かならず変わります。体は、しっかりと応えてくれます。

まとめ:今日から冷えを改善する、三つのこと

  • 体を温める食べ物を選ぶ。根菜、小豆、エビ、生姜、ニラ。冷やす食べ物(南国の果物、生野菜、冷たい飲み物)は控える
  • 玄米+黒ごま塩+味噌汁を基本に。毎日の梅しょう番茶で、血液を浄化し新陳代謝を高める
  • 生姜の足湯と半身浴。外側からも温め、内と外の両方からアプローチする

冷えは体質ではありません。生活習慣かくるもの。だから、変えられます。

外から温めるのではなく、中から温まる体を作る——。その第一歩は、今夜の食卓から始められます。