「玄米にしたいのに家族が嫌がる」——食卓アドバイザーはやまに相談してみたら

玄米ご飯

——玄米に変えたいのですが、家族が反対します。

夫は昔、実家で玄米を食べさせられたことがあって、いいイメージを持っていないようなんです。ぼそぼそするからいやだ、白米がいいと。
試しに一度炊いてみたのですが、子どもも食べてくれなくて……。

どうすればいいですか?

今回ご相談をくださったのは、中学生と高校生のお子さんを持つ40代のNさん。健康のために玄米を取り入れたい。でも夫は白米じゃないといやだと言う。子どもも食べてくれない——。同じような悩みをお持ちの方は少なくありません。

けれど、ご家族を説得する必要はありません。

家族の食卓は、説得より「気づいたらそうなっていた」が理想です。今日はそういう話をします。

はやま

うちの妻はいま、わたしが出すものを何でも喜んで食べてくれます。お弁当を持たせると「いただきます」「おいしい」「いつもありがとう」とLINEが来る。健康診断の数値が医者に褒められるほどよくなったので、信頼してくれるようになりました。でも最初からそうだったわけではありません。玄米も気づいたら食べるようになっていた、そんな感じです。娘は高校に入ってから「お弁当は白米がいい」と言い始めた。友達の目が気になる年頃なんでしょうね。だから大麦を混ぜた白米を持たせています。

そもそも、なぜ玄米か

白米は玄米を精製したものです。ぬか層と胚芽を取り除いた状態ですが、実はそこに食物繊維やビタミンB群、マグネシウム、亜鉛といった栄養素の多くが含まれています。つまり白米は、大切なものを削り取ったあとの残りとも言える。

玄米に変えると血糖値の上昇がゆるやかになり、腸内環境が整いやすくなります。「なんとなく体が重い」「食後に眠くなる」「甘いものがやめられない」——。そういう不調が食事を変えることで改善することは少なくありません。

とはいえ、「玄米は体にいいのである」と家族に力説しても、たいていは逆効果。まずは自分だけ試してみるところから始めるのがいちばんです。

家族が嫌がるときの三つの作戦

作戦① 少しだけ混ぜる

白米に玄米を二〜三割混ぜて炊くところから始めてみてください。見た目も食感もほとんど変わりません。「そういえば最近ご飯が違う気がする」と気づかれたとしても、「少し変えてみた」と軽く返せばいい。

慣れてきたら少しずつ割合を増やす。気づいたら玄米ご飯が普通になっている、というのが理想の着地点です。

作戦② 大麦や雑穀を混ぜる

家族の玄米に対する抵抗感が強い場合、白米に押し麦や大麦、雑穀ミックスを混ぜる方法もあります。玄米同様に食物繊維や栄養素を補えますし、プチプチした食感が加わって食べごたえも出る。子どもが意外と気に入ることもある。

我が家の娘の弁当はいま、このスタイルです。玄米でなくてもかまわない。食卓を少しずつ良くしていけたら十分ではないですか。

作戦③ おいしく炊飯する

玄米が嫌われる理由の多くは、「硬い」「パサパサ」「臭い」の三つ。これは炊き方の問題であることがほとんどです。おいしく炊けば、家族の反応はがらっと変わります。

玄米をおいしく炊く方法

まず大切なのは浸水です。最低でも二〜三時間、できれば一晩(八時間以上)水に浸けてから炊く。これだけで固さがまったく変わります。浸水した水は捨てて、新しい水で炊いてくださいね。

炊き方は三種類あります。

炊き方味・食感時間・コスト
土鍋香ばしく、歯ごたえがある。好みが分かれる約25分。光熱費がいちばんかかる
圧力鍋もちもちでやわらか。食べやすい約15分。炊きやすい
炊飯器可もなく不可もなく。手軽白米より時間がかかる

はやま

わたしは土鍋、圧力鍋、炊飯器すべて試しました。いちばん好きなのは土鍋の香ばしさですが、毎日25分火にかけるのは現実的ではない。だから圧力鍋が中心です。もちもちしていて食べやすく、炊飯時間も15分で済む。炊飯器は楽ですが、白米と比べると炊飯時間がかなり長いのが難点です。どれが正解というわけではないので、自分の生活に合ったものを選んでください。

それでも食べてくれないなら?

無理に変えなくていい。

毎日の食卓が戦場になるくらいなら、白米に大麦を混ぜるだけでも十分です。発酵食品を一品添える、味噌汁をきちんと作る——そういう積み重ねのほうが、長い目で見ると家族の健康を大きく左右します。

食養というのは厳格にやりすぎると息切れすることが少なくありません。良いものを少しずつ足していく、あるいは少しずつ入れ替えていくというほうが、体にも心にもやさしいと思いますよ。

はやま

妻が健康診断で褒められるようになったのは、わたしが玄米を強制したからではありません。毎日の食卓を少しずつ整えていくうちに、気がついたらそうなっていた。Nさんの食卓も、きっとそうやって変わっていきます。