玄米を食べている人のあいだで、一時期こんな話が広まりました。
「玄米にはアブシジン酸という物質が含まれていて、これがミトコンドリアを弱らせる。肌がくすむ。マクロビの人たちの顔色が悪いのはそのせいだ」
わたしもこれを読んで、しばらく玄米を炊く前に乾煎りしていました。フライパンで空炒りして水分を飛ばしてから炊く。アブシジン酸の働きが消えるというのです。
でも、やめました。
理由を正直に言いますね。面倒だったからです。
アブシジン酸とは何か
アブシジン酸(ABA)は、植物が種の発芽を抑制するために持っている物質です。「まだ芽を出すな」という信号を出すホルモンのようなもの。玄米にも含まれています。
「これが人体のミトコンドリアを弱らせる」という話が健康コミュニティで広まり、「だから玄米は乾煎りしてから炊くべき」という主張につながりました。
ただ調べてみると、科学的あるいは栄養学的なエビデンスとしては弱い、というのが実情のようです。植物のホルモンが人体に同じように作用するかどうかは別の話ですし、その後の研究では否定的な見方も多く出ています。はっきり「無害」と証明されたわけでもないので、グレーゾーンではありますが。
わたしが乾煎りをやめた本当の理由
はやま
やめてからしばらく経ちますが、顔色が悪くなった実感はありません。体調も変わりない。
それでいいのだ、とバカボンのパパなら言うでしょう。わたしもそういう精神で生きています。
気になる人は浸水を長めに
アブシジン酸が心配な方には、こんな方法があります。
玄米を12〜24時間ほど水に浸けておくこと。アブシジン酸は発芽の信号を抑制する物質なので、水に浸けて発芽スイッチを入れてやると、その働きが自然に弱まると言われています。発芽玄米はこの原理を利用したものです。昔の人の知恵なのかもしれませんね。
浸水した玄米は炊き上がりもやわらかくなるので、玄米が固くて苦手という方にもおすすめです。
マクロビの人たちの顔色について
はやま
結論:あまり心配しなくていい
玄米を食べることのメリットは、アブシジン酸をめぐる不確かな議論よりずっと大きいと考えています。食物繊維、ビタミンB群、ミネラル——。白米で失われるものがそこにある。
気になるなら浸水を長めにする。乾煎りする。あるいは発芽玄米を選ぶ。どれでもいい。
健康情報はこれからも次々と出てきます。振り回されすぎず、自分の体の声を聞きながら、ゆるく付き合っていくのがいちばんです。
はやま
※このブログの情報は、医療機関の監修を受けておらず、病気の診断、治療、予防を目的とするものではありません。記事内でご紹介している効果効能についても栄養素や成分に関するものであり、商品やサービスに関するものではないことにご注意ください。体調不良が長く続く場合は、医療機関で相談することも大切です。食卓でできること、専門家の力を借りること、その両方が、あなたの体を支えます。

