「夕食後の甘いものがやめられない」——食卓アドバイザーはやまに相談してみたら

玄米ご飯

「夕食のあと、どうしてもチョコやアイスに手が伸びてしまうんです。わかってはいるんだけど、やめられなくて。私って意志が弱いのかな……」

先日、こんな相談をいただきました。育児と仕事を掛け持ちしている30代のママさんです。

結論から言いますね。

それ、意志の問題じゃない可能性が高いです。

はやま

実はわたしも、夕食後に甘いものが欲しくなるタイプ(笑)。とくに糖質を少なめにした日は欲求が強くなる。消化のために体がブドウ糖を求めているんだろうな、と思っています。玄米をよく噛んで食べる日は不思議とそういう欲求がおさまる。咀嚼の満足感って、意外と大きいんですよね。

自分を責めるのは、いったんやめてもらっていい。夕食後に甘いものが欲しくなるのには、体や心からの「理由」があります。それが何かをまず知ってください。

理由① 「食べる」が習慣になっている

夕食後のデザートが長年のルーティンになっていませんか? 人間の脳はパターンをとても好む生き物です。「食事のあとは甘いもの」という流れが体に刷り込まれると、おなかが十分に満たされていても、脳が「次は甘いものの番だよ」と信号を出すようになります。

こういう場合は「食べてはいけない」と強く思いすぎないことが大切です。禁止するほど食べたときの罪悪感が大きくなって、そのストレスがまた甘いものへの欲求を引き寄せてしまう――。こういう悪循環にはまりやすい。

コツは「今日はこれだけ」とあらかじめ決めておくこと。チョコ2かけ、キャンディーひとつ。最初から「全部やめる」を目指さなくていい。まずはこれで十分です。

理由② ストレスやイライラが甘いものを呼んでいる

育児中のママは、日中ずっと誰かのために動いています。子どもの世話、家事、仕事……。自分の感情を後回しにしたまま夜を迎えると、脳は「ごほうびをよこせ」と言い始める。甘いものは手っ取り早くドーパミンを出してくれるので、ストレスが高い日ほど欲求が強くなります。

これに対して、わたしが長年実感してきた最も効果的な方法は運動です。

はやま

中学生のころから気づいていたことなんですが、体を動かすと精神的なストレスが明らかに減るんですよね。娘が成長期特有のもやもやを抱えていたとき、「運動部に入ると楽になるぞ」とずっと勧めていたんですが、中学で選んだのは吹奏楽部(笑)。楽器もできないのに。でも高校でバドミントン部に入ったら、「パパが言ってたこと、やっとわかった。中学のときはパパ何言ってるんだろって思ってたけど」と言われました。もう少し早く伝わっていたら、トランペットも無駄にならずにすんだのに(笑)

激しい運動でなくていいです。夕食後に10分歩くだけでも、ストレスホルモンは下がります。そのあと少し甘いものを食べたとしても、糖質はエネルギーとして効率よく使われるという一石二鳥の効果もあります。

理由③ 腸の中の菌が「食べろ」と命令している

これが三つのなかで、最も見落とされがちな理由です。

腸の中には数百種類、数百兆個もの細菌が住んでいます。そのなかには、糖をエサにして増えるタイプの日和見菌もいます。そういう菌が腸内で優勢になると、迷走神経を通じて脳に信号を送り、「もっと糖質をよこせ」と要求するようになる――。そういった研究が出ています。

つまり、あなたが甘いものを欲しているのではなく、腸の菌があなたに欲しがらせている可能性があるわけですね。

「意志が弱い」のではなく「腸内環境が乱れているサイン」かもしれない。そう思うと、少し気持ちが楽になりませんか?

今夜から使える、食卓のヒント

腸内環境を整えるために、殺菌作用のある食材と発酵食品を日々の食卓に取り入れることをおすすめします。特別なことをする必要はなく、小さな習慣の積み重ねで対処できます。

梅干しを1日1個

「梅干し1日1個は医者いらず」という言葉が昔からあります。梅干しのクエン酸は腸内を酸性に保ち、悪玉菌が増えにくい環境をつくってくれます。夕食に一粒添えるだけで十分。ただし選ぶなら、塩と紫蘇だけで漬けた昔ながらの梅干しをおすすめします。甘みを加えた調味梅干しとは別ものです。

生姜を少し

生姜に含まれるジンゲロールやショウガオールには殺菌・抗菌作用があります。みそ汁に入れる、薬味として添える、すりおろして料理に使う、どれでもOK。体も温まるので、冷えが気になる夕方以降に使うのに向いています。

にんにくは「15分待ってから」使う

にんにくの強い殺菌力は「アリシン」という成分によるものです。ただしこれ、切ったり潰したりしてすぐ加熱してしまうと、アリシンが十分に生成される前に酵素が死んでしまいます。切ってから15分ほど空気に触れさせてから使う――それだけで殺菌力がぐっと高まります。知っているようで知らなかった話ではないでしょうか。においが気になる方は、家族みんなで食べる日の週末だけ、くらいで十分です。

罪悪感ゼロのチョコレートをつくる

これがわたしのいちばんのおすすめです。

ココナッツオイルに粉末ココアまたはカカオパウダーを混ぜて、ステビアやエリスリトールなど低GIの甘味料を少し加え、よく混ぜるだけ。バニラエッセンスがあればさらに本格的な味になります。固めたいときは冷蔵庫へ。

糖質ほぼゼロの自家製チョコができあがります。甘いものへの欲求を満たしながら、ラウリン酸たっぷりのココナッツオイルで腸内環境も整えられる。娘は「パパの変なチョコ」、わたしは「罪悪感ゼロのチョコ」と呼んでいます(笑)。

発酵食品も、できる範囲で

腸内の善玉菌を増やすためには、発酵食品を日常的に取り入れることが有効です。塩麹味噌ぬか漬け……日本の食卓にはもともと発酵食品がたくさんありました。一度に全部やろうとしなくていい。まずひとつだけ、今の食卓に加えてみてください。

まとめ

夕食後の甘いもの欲求には、三つの理由があります。習慣、ストレス、腸内細菌。どれも「意志の弱さ」とは関係ありません。

今夜、なにかひとつだけ試してみてください。梅干しを一粒添える、食後に少し歩く、手作りチョコをつくってみる。食卓は、そういう小さな変化が積み重なってできていくものだと思っています。

はやま

自分を責めなくていい。食卓を少しずつ変えていけばいい。それだけのことだと、わたしは思います。