「食事は変えていないのに、太りやすくなった」——食卓アドバイザーはやまに相談してみたら

和食

最近、体重が増えてきた気がして。食事は変えていないんですけど。

こんな相談を、30代後半から40代のお母さんによくいただきます。

食事は変えていないというのは事実だと思いますが、実はここに小さな罠が潜んでいます。

食事が変わっていなくても、体のほうは変わっているのです。

体は静かに変わる

30代後半から40代にかけて、体の中では三つのことが同時に進んでいます。

① 腸内細菌のバランスが変化する

腸内環境は年齢とともに変化します。善玉菌が減りやすくなり、腸の消化と吸収の効率が変わってくる。同じものを食べても、腸が処理する力が変われば、体への影響も変わります。

② 筋肉量が落ちやすくなる

筋肉はじっとしているときにもエネルギーを使う、代謝的に活発な組織なのです。30代を過ぎると、何もしなければ筋肉量は少しずつ減っていきます。筋肉が落ちれば、安静時に使うエネルギーもいくらか目減りする。同じ食事量でも、少しずつ余りやすい体に傾いている可能性があるのです。体質ではなく、体組成の変化ですね。

③ ホルモンバランスが揺らぐ

女性はとくに30代後半から女性ホルモンの分泌が変化し始めます。これが脂肪のつき方、水分保持の仕方、さらに食欲コントロールにまで影響します。「なんとなく食欲が強くなった気がする」という感覚も、ホルモンの影響であることは少なくありません。

三つとも「食事の内容」とは別の話です。だから「食事は変えていないのに」という感覚は正しい。ただ、体のほうが変わっている。

何を食べるかではなく、どう食べるか

食事内容を急に変えるのはハードルが高いですよね。でも食べ方を少し変えると、体への影響はかなり変わります。

思い当たる節はありませんか。

忙しくて、立ったままかき込む。子どもの食事を見ながら、ながら食いになる。気づいたら10分もかかっていない。夕食が遅い時間にずれ込む——。

食べる速さ、食べながら何かをしているかどうか、食べる時間帯。これらは同じ食事でも体への影響を大きく変えます。

早食いは、満腹感を得る前に食べすぎてしまう原因になります。「よく噛む」というのはあまりにシンプルで見過ごされがちですが、消化を助け、満腹中枢への信号を正確に届けるという点で、実はもっとも手軽で効果的な食べ方の工夫かもしれません。

はやま

家族にはずっと「よく噛もう」と言い続けてきました。わたしは100回くらい噛みます。娘もよく噛んでいます。妻は飲むように食べます。だから妻だけ「ごちそうさま」が早い。「え、もう食べ終わったの」と、何度言ったことか

食卓でできること

食事内容を大きく変えなくても、いまの食卓に少し足すだけでできることがあります。

発酵食品を毎日の食卓に

腸内環境を整えるいちばん手軽な方法のひとつは、発酵食品を日常的に取り入れることです。納豆、味噌汁、ぬか漬け——。毎日全部でなくてかまわないのです。まずひとつ、今日の食卓に加えてみる。腸が元気になれば、消化や吸収の効率も変わってきます。

食べる順番を少し変える

野菜や汁物を先に食べてから、ご飯やおかずへ手を伸ばす。これだけで食後の血糖値の上がり方がゆるやかになります。血糖値が急に上がらなければ、余った糖が脂肪にまわりにくい。

白砂糖を減らす

食事は変えていなくても、飲み物や間食に砂糖が入り込んでいることはよくあります。甘い飲み物を白湯やお茶に替えるだけでも体感が変わる方は多い。

さいごに

食事は変えていないのに太りやすくなった——これは体が変化しているからです。

体の変化に気づいたこと自体はとても大事なことだと思います。気づいた人だけが変えられる。

できることはシンプルです。腸を整える、よく噛む、食べる順番を意識する。どれかひとつでいいので、まず試してみてください。食卓は毎日やり直せる場所ですよ。