「なんとなく気分が重い日が続く。うつではないと思うけど」——食卓アドバイザーはやまに相談してみたら

発酵食品

「うつというほどではないのですが、なんとなく気分が重い日が続いています。朝起きるのがつらくて、やる気も出なくって……」

こんなご相談をいただきました。育児と仕事を抱えている30代のお母さんです。

診断名はないけれど、たしかに体がだるい、しんどい。そういう状態は、実はとても多くの人が経験しています。だからこそ見過ごされやすい。

気分の重さは、心だけの問題ではないのかもしれません。

はやま

「なんとなく体が重い」という感覚は、わたしにも経験があります。あの頃を振り返ると、食事が乱れていた時期とぴたりと重なっていた。偶然ではないと、いまは思いますね。

気分と腸はつながっている

「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニン。気分の安定に深く関わるこの物質は、実は体内の約9割が腸に存在しています。脳の物質だと思われがちですが、腸がおもな製造場所なのです。

つまり、腸内環境が乱れるとセロトニンがうまく作られなくなる。それが気分の重さや、やる気のなさ、イライラといった形で出てくることもある。「心の問題」と思っていたものが、実は「腸の問題」だったということはめずらしくありません。腸と思考には深い関係があるのです。

もちろん気分の重さが続く場合は、心療内科や精神科への相談も選択肢のひとつです。「うつではないと思うけど」という感覚を大切にしながら、それでも長く続くようであれば専門家に話してみることをためらわないでください。 

食卓からできること

セロトニンの材料を摂る

セロトニンはトリプトファンというアミノ酸から合成されます。トリプトファンは体内で作れないので、食事から摂る必要があります。

トリプトファンが豊富な食材は、実は身近なものばかり。納豆、豆腐、味噌などの大豆製品。乳製品。ごまやナッツ類。特別なサプリは必要ありません。毎日の食卓にこれらをひとつ意識して加えるだけで変わってきます。

腸を整える発酵食品を食べる

セロトニンを作る腸を元気にすることも、同じくらい大切です。味噌、納豆、ぬか漬け——。日本の発酵食品は、腸内の善玉菌を育てる最高の食材です。毎日少しずつ食卓に取り入れてみてください。発酵食品の始め方はこちらにまとめています。

砂糖との静かな戦い

気分が落ちているとき、甘いものが食べたくなるのは自然なことです。ただ砂糖を大量に摂ると、血糖値が急激に上がって急激に下がる——。この乱高下が、気分の浮き沈みをさらに激しくする原因になっています。

甘いものを完全にやめる必要はありません。白砂糖の多い飲み物をお茶に替える、間食をナッツやバナナにしてみる。そういう小さな置き換えから始めるだけで、気分の安定感が変わってくることがあります。

食事以外のできること

朝の光を5分だけ浴びる
セロトニンは光によって活性化されます。朝起きたら、カーテンを開けて外の光を浴びる。散歩に出られればなおいい。曇り空でも効果はあります。これだけで体内時計が整い、日中のセロトニン分泌が促されます。

呼吸を整える
浅い呼吸が続くと、自律神経が乱れてセロトニンの分泌にも影響します。呼吸を整えることにも意識を向けてみてください。深く「吐く」ことから始めるだけでいい。

しっかり眠る
睡眠不足はセロトニンの分泌に直接影響します。眠れないという悩みを抱えている方は、睡眠の記事も参考にしてみてください。

セロトニンを増やす食べ方、動き方については、こちらの記事にもまとめています。合わせて読んでいただくと、全体像がつかめると思います。

最後に

「なんとなく気分が重い」には、腸とセロトニンという食卓から手が打てる理由があることが少なくありません。

今日からできることをひとつ選ぶとしたら、わたしは「起きたらまず朝日を5分だけ浴びて、朝食に納豆を食べる」ことをおすすめします。

それでも気分の重さが続くようなら、一人で抱え込まないでください。話せる人に話す、専門家を頼る——。それも立派な自分へのケアです。