便秘の話を、背中からしようと思います。
唐突に聞こえるかもしれませんが、整体的な見方では、慢性的な便秘の原因の多くは「背中の硬直」にあると考えます。腸の問題というより、背骨まわりの問題——そう聞くと、少し意外ではないでしょうか。
便秘と背中は、なぜつながっているのか
腸の蠕動(ぜんどう)運動——食べたものを肛門へと運ぶ、あの波打つような動きは、背骨を通る神経によってコントロールされています。とくに胸椎(背骨の胸の部分)の6番あたりから出ている神経が、消化器系と深く関わっています。
胃が疲れると、その周辺の筋肉が硬直し始めます。その硬直が背中の筋肉に伝わり、背骨まわり全体が固まってくる。すると腸への神経の流れが滞り、蠕動運動がうまく働かなくなる——これが整体的な便秘のメカニズムです。
「食べすぎた翌日に便秘になる」「ストレスが続くとお腹の調子が悪くなる」という経験、思い当たる方は多いのではないでしょうか。胃への負担やストレスが背中を固め、それが腸の動きを鈍らせていたのかもしれません。
また、便秘と下痢を繰り返すタイプの方は、背骨のどのあたりが固まっているかによって症状が変わることもあるようです。体は思った以上に、全体でつながっています。
はやま
今夜からできる3つのこと

①背中の中心をほぐす
仰向けに寝て、タオルを丸めたものを背中の真ん中——肩甲骨のあいだに当てて、じわっと体重をかけます。「痛気持ちいい」場所を探しながら、深呼吸を続けます。腸への神経が集まっている胸椎まわりをゆるめることで、腸の動きが促されやすくなります。1〜2分、ゆっくりやるだけで十分です。
②便秘解消の体操——直腸を刺激する
仰向けになり、両ひざを立てます。右ひざだけ両手で抱えて、左脚をまっすぐ上に伸ばします。そのまま左脚をゆっくり外側へ、10秒ほどかけて床に向かって下ろしていきます。直腸は左下腹部から肛門へと伸びているので、この動きで直腸が刺激され、蠕動運動が活発になります。終わったら左右を入れ替えて同様に。脚が床についたら、2呼吸おいてから力を抜きましょう。
③朝起きたら「の」の字マッサージ
布団の中でそのまま仰向けになり、お腹の上を「の」の字を描くようにゆっくりさすります。腸の走行に沿った方向で、右下腹部→右上腹部→左上腹部→左下腹部の順です。力を入れすぎず、温かい手のひらで撫でる程度で十分。起き上がる前の1〜2分、毎朝続けると腸が「そろそろ動く時間だ」と覚え始めます。
はやま
「腸を整える」は、背中を整えることでもある
発酵食品、食物繊維、水分補給——。腸のために食事を整えることはとても大切です。でも、体の構造から見ると、背中が固まったままではその効果が出にくいこともある。
食卓と体、両方から腸を助けてあげる。そういう視点を一つ持っておくと、便秘との付き合い方が少し変わるかもしれません。
なお、塩麹や味噌、ぬか漬けといった発酵食品は、腸内環境を整える強い味方です。体を整えながら、食卓も少しずつ変えていけたら理想的ですね。
→ セルフ整体の入口はこちら:整体師いらず——ぎっくり腰と徹夜と、東洋の科学の話
※本記事は個人の体験と学習にもとづくものです。強い腹痛・血便・急激な体重減少などがある場合は、必ず医療機関を受診してください。
※このブログの情報は、医療機関の監修を受けておらず、病気の診断、治療、予防を目的とするものではありません。記事内でご紹介している効果効能についても栄養素や成分に関するものであり、商品やサービスに関するものではないことにご注意ください。体調不良が長く続く場合は、医療機関で相談することも大切です。食卓でできること、専門家の力を借りること、その両方が、あなたの体を支えます。

