「子どもの肌荒れ・アレルギー、食事で改善できますか?」——食卓アドバイザーはやまに相談してみたら

ぬか漬け

「また今日もかゆがってる……」

お子さんの肌を見るたびに、胸が痛くなるお母さんは少なくないと思います。ステロイドを塗るたびに罪悪感がある。かといってやめると悪化する。皮膚科を変えても、根本的には何も変わっていない気がする――。

今回ご相談をくださったのは、7歳のお子さんを持つ35歳のAさん。アトピー性皮膚炎と花粉症を抱えるお子さんのために、何年もスキンケアや保湿剤、空気清浄機など「外から守る」ことに力を注いできました。

でもある日、こんな疑問を持ったそうです。「そもそも、なぜこの子の肌はこんなにも反応してしまうんだろう?」

今日はその問いに、食卓の側から答えてみたいと思います。

はやま

先に結論だけ言ってしまいます。子どもの肌荒れやアレルギーは、皮膚の問題ではなく腸の問題として見直すことが、わたしの経験では最も根本的なアプローチでした。

肌を、外から治そうとしていた

アレルギーや肌荒れの話になると、多くの場合「何を塗るか」「何を除去するか」という方向に進みます。これは間違いではありません。でも、それだけでは根本が変わりにくいのも事実です。

皮膚は体の最も外側にある臓器ですが、その状態は体の内側——とりわけの状態と深くつながっています。腸は全身の免疫機能の約70%を担っている場所です。腸内環境が乱れると、免疫のバランスが崩れ、本来は無害なものに対しても過剰に反応しやすくなる。それがアレルギーや慢性的な肌荒れとして現れることがあります。

詳しくは以前に書いた子どものアレルギーと腸の深い関係という記事もあわせて読んでみてください。

まず、対症療法として「引き算」する

腸を育てる食卓の話に入る前に、環境面で手をつけやすいことを三つだけ。「外から守る」対症療法ですが、やっておく価値はあります。

① 加工食品と外食を減らす

市販のお菓子、インスタント食品、ファストフード——これらに共通するのは、腸内環境に影響を与える添加物が多く含まれていることです。全部やめる必要はありません。まず「毎日食べているもの」をひとつ見直すだけでいい。

② 水道水の塩素を除去する

水道水に含まれる塩素は、消毒のために必要なものですが、腸内の善玉菌にもダメージを与える可能性があります。シャワーフィルターや浄水器で除去するだけで、お風呂上がりの肌の感触が変わることもあります。

③ 石けんと洗剤を無添加に替える

肌に直接触れるボディソープやシャンプー、衣類の洗剤を無添加のものに替えることも、肌への刺激を減らす意味で有効です。これは娘の湿疹をきっかけに始めた「引き算の暮らし」で、わが家が最初に手をつけたことでもありました。

根本療法としての「腸を育てる食卓」

さて、ここからが本題です。

腸内環境を整えるための食卓のポイントは、大きく二つあります。善玉菌を「補給する」こと(プロバイオティクス)と、善玉菌の「エサを与える」こと(プレバイオティクス)です。

難しく考えなくていい。日本の伝統的な食卓には、この二つがもともと揃っていたのです。

発酵食品を「生きたまま」食べる

加熱してしまうと、せっかくの善玉菌が死んでしまいます。腸に生きた菌を届けるには、「生のまま」食べることが大切です。

ぬか漬けは、日本が誇る最強の発酵食品のひとつ。乳酸菌の量は市販のヨーグルトをはるかに上回ります。ぬか漬けの健康効果については別記事で詳しく書いていますが、子どもにとっても「少し酸っぱいもの」に慣れる食育にもなります。きゅうりや大根から始めると食べやすい。

納豆も、生で食べることが基本です。熱いご飯に乗せてしまうと菌の多くが死んでしまうので、少し冷ましてから乗せるか、別に食べるとなおいい。納豆菌の異常な強さについては、読んでおくと納豆を見る目が変わりますよ(笑)

味噌は、加熱しない食べ方もぜひ試してみてください。味噌汁にするなら沸騰させず、最後に溶かすのがコツ。でもわたしのおすすめは、野菜スティックに味噌マヨをつけて食べることです。

はやま

味噌マヨといっても難しいものではなく、本物の味噌(加熱殺菌していないもの)とマヨネーズを2:1くらいで混ぜるだけ。これが子どもに驚くほど受ける。にんじん、きゅうり、セロリ、大根——。生野菜が嫌いな子でも「味噌マヨならいい」という子が多い。生きた菌を食べながら、野菜の食物繊維もとれるという一石二鳥の食べ方です。

善玉菌の「エサ」を一緒に食べる

善玉菌は、腸に入れるだけでは増えません。彼らのエサであるプレバイオティクスを一緒に食べることで、腸の中で増えて定着してくれます。

プレバイオティクスとは何か、どんな食べ物に含まれるかはプレバイオティクスの記事に詳しく書きましたが、代表的なのは次のようなものです。

  • 玉ねぎ、長ねぎ(フラクトオリゴ糖)
  • 大麦、オーツ麦(β-グルカン)
  • ごぼう、れんこん(イヌリン)
  • バナナ(フラクトオリゴ糖)
  • 大豆、納豆(大豆オリゴ糖)

難しく考えなくて大丈夫です。根菜の入った味噌汁、玉ねぎたっぷりの炒め物、バナナのおやつ——これで十分。

「発酵食品+プレバイオティクス」を一緒に食べる

最も効果的なのは、この二つを組み合わせることです。

たとえば、ぬか漬けにごぼうを漬ける。これで菌もエサも一緒に食べられます。あるいは、長ねぎたっぷりの味噌汁。納豆と大麦ご飯の組み合わせも理にかなっています。

特別な食材もサプリメントも必要ありません。昔の日本の食卓がそのまま答えだったりします。

焦らなくていい。腸は、毎日育てるもの

腸内環境は一朝一夕には変わりません。でも、毎日少しずつ積み重ねることで、確実に変わっていきます。

わたし自身、娘の肌荒れに悩んでいたころ、いちばん後悔したのは「もっと早く食卓から見直せばよかった」ということでした。ステロイドを否定するわけではありません。でも、外側からのケアと並行して、腸から体を整えることを早く始めていれば——。そう思うことがあります。

はやま

子どもと一緒にきゅうりのぬか漬けをつまんでみてください。「これ、おいしい」と言ったときが、その子の腸が動き出す瞬間かもしれません。ちなみにわが家のぬか床はわたしの聖域。娘は触りたがりません(笑)。それでも食卓にぬか漬けを出せば、うれしそうに「ありがとう」と言って、ポリポリ食べています。食は、体を育てながら、親子の時間も育ててくれます。

まとめ

子どもの肌荒れやアレルギーに、食卓からできることをまとめます。

  • 対症療法(引き算):加工食品を減らす、塩素除去、無添加の石けん・洗剤に替える
  • 根本療法(足し算):発酵食品を生きたまま食べる+プレバイオティクスで善玉菌を育てる

全部いっぺんにやろうとしなくて大丈夫。今日の夕食に、ぬか漬けを一品添えてみる。それで十分です。腸は、毎日の食卓が丁寧に育てていくものだから。