半年続けたら嫌いになった話――椎茸スープと干し椎茸の水だしの話

干し椎茸

十年以上前、物の本で、椎茸を活用した健康法について知りました。

ちょうど体を壊していた時期だったから、「血液浄化」という言葉にすがりつきました。

自然療法の世界では、椎茸は血液を浄化し、体質を整える副食として昔から重宝されているそうです。胃弱や鼻炎の改善、ガンの再発予防まで、日常的に椎茸を食べる人も少なくないとか。

薬膳や漢方の視点で見ても、椎茸はなかなかの働き者で、気や血の巡りをよくして、胃腸の働きを助けてくれるといいます。

成分の話をすると、これがまたおもしろい。

椎茸に含まれる「エリタデニン」という成分は、コレステロールを減らして動脈硬化や高血圧の改善に役立つらしいし、「β-グルカン」は免疫力を高めてガンの予防にも期待されている。

さらに、椎茸に含まれる「エルゴステリン」は日光に当たるとビタミンDに変わる。これがカルシウムの吸収を助けて、骨を丈夫にしてくれるというわけです。

低カロリーでミネラルや食物繊維も豊富だから、ダイエットや美容にもいい——と、まあ椎茸の健康効果を挙げればキリがない。

マクロビオティックの世界でも、動物性食品や砂糖の摂りすぎで汚れた血液をきれいにして、余分な脂肪やコレステロールを分解してくれる「頼れる食材」として扱われています。血液の酸化を抑えて、頭痛や筋肉痛、炎症を鎮める働きもあるとか。

こうしてならべてみると、「椎茸って、なんだかすごいな……」 と、当時のわたしが思ったのも無理はありません。

椎茸スープ――毎日5枚の椎茸の使い道に頭を抱える

そんな椎茸の力を最大限に受けとれるのが、「椎茸スープ」です。

激しい頭痛や不眠、肩こり、筋肉痛、多動児の落ち着きを取り戻すのにもいいとされています。

ほほう、なんだか体によさそうだ、と思ったので、わたしはさっそく試してみることにしました。

東洋医学では、万病の原因を血液の汚れだと考えます。最初に書きましたが、体を壊していましたので、「血液浄化」の力におおいに期待したのです。

ただ、椎茸スープはつくるのにちょっと骨が折れた。

  • 鍋に干し椎茸5枚と水600ccを入れて、中火で30分煮出す。
  • 煮汁が半分くらいまで減ったら、椎茸をとりだす。
  • 醤油で味つけして飲む。

30分間煮出すのも手間ですが、続けていくと干し椎茸が毎日5枚ずつ出る。とても食べきれるものではない(笑)

そこで、干し椎茸をコップにひとつ入れて水を注ぎ、一晩おいて、翌朝その水を飲む——という方法に切り替えました。ちなみに干し椎茸は使う前にベランダで数時間ほど日光に当てます。ビタミンDがぐんと増えるから。

干し椎茸の水だしで、気分上々、風邪知らずに

しばらく続けていると、なんとなくですが、体が軽くなって、気分が上向いた感じがしてきました。

干し椎茸にはビタミンDもたっぷり含まれています。天日干しすることで、そのビタミンDがさらに増えるとか。ビタミンDには、抗ウイルス作用や活性酸素を除去する働きのほか、カルシウムを骨に沈着させる働きもあるそうです。

風邪もひかなくなるだろうと、さらに続けてみることにしました。

半年間、飲み続けました。

どうなったか——。

においをかぐのも嫌になりました。妻の餃子には干し椎茸が入っているのですが、それさえも鼻につくようになってしまった。その間、風邪は一度も引きませんでしたが。

はやま

干し椎茸にはグアニル酸が含まれています。昆布のグルタミン酸、かつお節のイノシン酸とならんで、三大うまみ成分として知られています。この三つが合わさると、相乗効果でうまみが何倍にも跳ねあがる。こんなうま味たっぷりの干し椎茸でしたが、半年毎日はきつい(笑) 普通に食べられるようになったのは、ごく最近のこと。なにごとも、ほどほどが一番。

そうそう、椎茸は水で洗うと香りや栄養が失われてしまいます。汚れが気になる場合は固く絞った布巾などで拭きとる程度に。うまみを引き出すには、沸騰した熱湯でなく、60〜70度程度の温度でゆっくり加熱するのがポイントです。だてに半年間も食べ続けていたわけではないのです(笑)