よく眠ったはずなのに、朝から体が重い。
一日働いたあと、疲れているのはわかる。でも、翌朝起きたときにもまだ疲れが残っている——この感覚、覚えがある方は多いのではないでしょうか。
「睡眠の質が悪いのかも」「年齢のせいかな」と思いがちですが、整体的な見方では、そこに別の答えがあります。
眠っても取れない疲れの多くは、「呼吸が浅い体」によって作られている。
これを知ったとき、わたしは少し腑に落ちました。徹夜明けの疲れではなく、じわじわと積み重なって取れなくなった疲れは、たしかに「別の種類」だと感じていたからです。
疲れが「取れない」のではなく、「作り続けている」
呼吸が浅くなると、体にどんなことが起きるか。
胸郭(肋骨まわり)が動かなくなり、酸素の取り込みが減ります。すると体は常にエネルギー不足のような状態になり、ちょっとしたことでもすぐ疲れる。さらに、胸が動かないと背中の筋肉も固まり、全身の血流が悪くなります。老廃物がうまく流れなくなると、疲労感はさらに蓄積していく。
眠っている間も、浅い呼吸のまま朝を迎えてしまうと——。体は修復される前に、また次の一日を迎えることになります。
疲れが取れないのではなく、眠りながらも疲れを作り続けているかもしれない。そう考えると、「よく寝たのに疲れが残る」ということの意味が変わってきます。
はやま
「頑固な人は体も頑固」——体と心はつながっている
整体の世界には面白い観察があります。体が硬くこわばっている人は、性格的にも頑固だったり、人の意見を受け入れにくかったりする傾向があるという話です。
逆もある。体の硬さがほぐれると、不思議と気持ちも柔らかくなって、些細なことで怒りにくくなったという話を聞いたことがあります。「健全な精神は健全な肉体に宿る」という言葉は、あながち精神論ではなかったのかもしれない。
慢性的な疲れのなかにいると、体だけでなく、心もすり減っていきます。「なんとなく気分が重い」「些細なことでイライラする」——こういった状態も、体の疲れと深くつながっていることがあります。
今夜からできる3つのこと

①「大の字」で体を広げる
仰向けに寝て、両腕をゆっくり頭の上に伸ばします。このとき、背中が自然に反って胸が開く感覚があればOKです。腕が床につかなくても大丈夫。届く範囲で、ゆっくり息を吸いながら伸ばして、吐きながらゆるめる。これを数回繰り返すだけで、縮こまった胸郭がじわっと広がっていくのがわかります。肋骨の一本一本が動き出すような感覚があれば、呼吸が深くなっているサインです。
②肩甲骨まわりをゆるめる
四つんばいになって、首をゆっくり上に向けます。このとき、肩を上げず、首だけをゆっくり伸ばすように意識してください。引っかかりを感じたところで止めて、そのまま2〜3呼吸。背中の真ん中(三角点)に力が集まる感覚があれば、深いところに刺激が届いています。これを数回。慣れてきたら、四つんばいから上体をゆっくりねじって、腕を頭の方向へ伸ばす動きをプラスしてみてください。
③前腕から肩まで「流す」
腕の疲れは、意外と全身の疲れに直結しています。パソコン作業や育児で酷使する前腕の筋肉が固まると、上腕、肩、背中と疲れが連鎖するからです。反対の手の親指で、前腕の内側(肘から手首にかけて)をゆっくりなぞるように押していきます。「ここ、固いな」と感じる場所で少し止まって、ゆっくり圧をかけながら息を吐く。これだけで、肩まで軽くなることがあります。
はやま
疲れたら、まず「広げる」
疲れたとき、人は体を縮めます。背中を丸めてソファに沈む、膝を抱えて丸くなる——それは体が自然に取る防御姿勢です。
でも、その姿勢のまま眠ってしまうと、体は縮んだまま朝を迎えることになります。
寝る前の5分、「大の字」になって体を広げてみてください。呼吸が深くなれば、それだけで体の修復力が少し変わります。
毎晩続けているとじわじわ実感できます。
はやま
※本記事は個人の体験と学習にもとづくものです。強い倦怠感・発熱・めまいなどの症状が続く場合は、医療機関を受診してください。
- セルフ整体の入口はこちら:整体師いらず——ぎっくり腰と徹夜と、東洋の科学の話
※このブログの情報は、医療機関の監修を受けておらず、病気の診断、治療、予防を目的とするものではありません。記事内でご紹介している効果効能についても栄養素や成分に関するものであり、商品やサービスに関するものではないことにご注意ください。体調不良が長く続く場合は、医療機関で相談することも大切です。食卓でできること、専門家の力を借りること、その両方が、あなたの体を支えます。

