塩だと思ったら、塩じゃなかった。——エプソムソルトという不思議な入浴剤

エプソムソルト

最初になめてみた。

「ソルト」というくらいだから、しょっぱいはずだと思って。

しょっぱくなかった。

調べてみると、エプソムソルトの正体は硫酸マグネシウム——。硫酸とマグネシウムの無機化合物で、塩分はまったく含まれていないとのこと。「ソルト」という名前は、結晶の形が食塩に似ているからついたらしい。なんだそれ(笑)

ともあれ、これが思いのほかよかった。

エプソムソルトとは何者か

エプソムソルトは海水中にも含まれるミネラルの一種です。古くから整腸剤や治療薬として使われてきた歴史があり、現在もさまざまな薬のベースとして使われています。入浴剤としても広く用いられていて、海外の女優やモデルが美容目的で愛用しているという話もよく聞きます。

市販の入浴剤にもよく配合されていますが、エプソムソルト単体で買うほうが安くて量もたっぷり使えます。Amazonや薬局で手軽に入手できます。

お風呂に入れると、こうなる

使い方は簡単です。39〜41℃のお湯を張った浴槽に、150〜300グラムほど入れてよく溶かすだけ。販売元によると、濃度0.1〜0.2%が目安だそうです。ちなみに海水が0.2%。つまりほぼ海水ミネラル風呂です。

実際に入ってみた感想はこうです。

汗が普段よりずっとよく出る。体の芯からじんわり温まる。そして湯上がりの肌がやわらかくしっとりする。保湿効果が高い。翌朝の寝起きもいい。

とくに肌の変化は、入った日からわかります。ゴワゴワした部分がやわらかくなる感じ。「塩分なしのミネラル風呂」というのは、なかなかよくできた発明だと思います。

はやま

半身浴と組み合わせると、発汗量がさらに増えます。ただしそのぶん脱水にも注意。入浴前後の水分補給をお忘れなく。

普通の塩を入れてはいけない理由

「お風呂に塩を入れると体が整う」という話を聞いて、試したことがある方もいるかもしれません。わたしもかつてやったことがあります。

やめた理由は、昔暮らしていた賃貸マンションの給湯器が、ある日突然ウンともスンともいわなくなったからです。さびだらけになって痙攣するように動いたかと思ったら、そのまま沈黙した。大家さんにたいそう叱られました。

食塩(塩化ナトリウム)は金属を腐食させます。給湯器や風呂釜への影響が大きいのです。その点エプソムソルトは塩分を含まないので、設備を傷める心配がありません。これも大きなメリットです。

ところで、下剤にもなるらしい

薬局で売られている硫酸マグネシウム(エプソムソルトと同じものです)の効能書きを読んでみると、「便秘」と書いてあります。腸内の水分を引き寄せて便をやわらかくする働きがあるそうで、「スイマグ」という名前の緩下剤として昔から知られています。

入浴剤として愛用しているものが、薬局では整腸剤として売られている。なんだか不思議な気持ちになります。

ただし内服する場合は、心臓や腎臓に疾患のある方には向かないとのこと。わたし自身は試したことがないので、詳しくは薬剤師さんに聞いてみてください。

注意点だけ、ひとつ

エプソムソルト風呂が向かないケースもあります。心臓や血圧に疾患がある方、皮膚が割れていたり過敏な方、そしてひとり暮らしの方(万一のとき助けてもらえないので)は、無理をしないほうがいいとされています。

また追い炊き機能のある浴槽でも、塩分を含まないエプソムソルトであれば比較的安心ですが、念のため浴槽や設備のメーカーに確認することをおすすめします。給湯器事件の教訓から、わたしはこのあたりに人一倍敏感になっています(笑)

はやま

ミランダ・カーになりたいわけではありませんが(笑)、肌がしっとりして寝つきがよくなるなら、使わない理由がない。週末の半身浴のお供に、ぜひ。