グルテンとは何か——パンのおいしさの秘密、知っておきたいこと

小麦とパン

パンが好きで毎朝食べる、うどんやパスタが週に何度も食卓に上がる——。そういう家は少なくないだろう。実際、我が家も以前はそうだった。

小麦を制限する食事スタイル「グルテンフリー(ダイエット)」が健康志向の人たちのあいだで話題になってひさしい。一方で、「小麦をやめるなんて無理」「なぜそこまで」と思っている人たちも少なくないだろう。

ここでは、グルテンとは何か、なぜ近年注目されているのかを簡潔にまとめている。

グルテンは、小麦たんぱく

グルテンは、小麦や大麦に含まれるたんぱく質の一種である。正確に言うと、小麦粉に水を加えてこねることで、グリアジンとグルテニンという2種類のたんぱく質が結びついてできるものだ。

パンのふっくらした食感、うどんやパスタのもちもちとした歯ごたえ。すべてグルテンのおかげ。小麦粉に含まれるたんぱく質の約80%をグルテンが占めており、小麦製品のおいしさを支えている成分である。

グルテンを多く含むおもな食品は次の通り。

  • パン、ピザ、パスタ、うどん、ラーメン、餃子の皮
  • クッキー、ケーキ、クラッカーなどの小麦菓子
  • シリアル、ミューズリーなどの軽食
  • カレールウ、フライ、天ぷら粉など加工食品全般

現代の小麦は、半世紀前とは別物

グルテンフリーがここまで広まった背景には、小麦そのものの変化がある。

今から約50〜60年前、世界的な食糧不足に対応するため、小麦は大規模な品種改良を受けた。病害への耐性を高め、収穫量を増やすことが目的だった。その結果、生産性は飛躍的に上がったが、同時にグルテンの含有量と構造も大きく変化した。

問題は、この品種改良が人体への安全性をほとんど検証しないまま行なわれた点だ。現在、地球上で流通している小麦のほぼすべてがその品種で、グルテン過敏症やセリアック病(グルテンが引き起こす自己免疫疾患)の患者数が半世紀で急増していることと無関係ではないかもしれない、と研究者たちは指摘する。

グルテンは腸に影響を与える

グルテンの成分のひとつであるグリアジンは、腸の粘膜に影響を与えることがわかっている。腸粘膜は本来、必要な栄養素だけを選んで体内に取り込むフィルターの役割を果たしているが、グリアジンはその選別機能を乱す可能性があるという。

グルテンに対して敏感な体質(グルテン過敏症)の人が小麦を食べると、消化不良、腹部の不快感、疲労感、肌荒れ、集中力の低下といった症状が出ることがある。

さらに現代の小麦に含まれる糖質、アミロペクチンAは血糖値を急激に上げやすい性質を持っている。パスタやフランスパンなどは「甘くないから大丈夫」と思いがちだが、血糖値への影響は砂糖に匹敵する。

過剰な食欲は、グルテンが原因かも

グルテンのグリアジンには、脳の快楽中枢を刺激する作用があると研究で示されている。食べるとほっとする。また食べたくなる。小麦食品を食べて、そう感じる人は少なくない。だが、そこには生理的な理由があるのかもしれない。

ちなみに僕自身がグルテンフリーを試した際、最初の晩に奇妙なことが起きた。それまで夜食が習慣になっていたのに、その日の夜だけはまったく食べたいと思わなかったのだ。いつもの強烈な衝動がなかった。そのとは初めて、自分がどれだけ小麦に操られていたかわかった気がした。

完全にやめる必要はない、まず減らしてみる

ここまで読んで、「小麦をやめたほうがいいのか?」と少し不安になった人もいるかもしれない。もちろん、「関係ない。自分はいままで通り小麦を食べる」というならそれはそれでいいと思う。いずれにしろ、グルテンフリーはセリアック病やグルテン過敏症を除いて、完全にやめるのが必須というわけではない。

まず、毎日食べている小麦食品を少し減らしてみる。軽い気持ちで試してみるのが現実的だろう。朝食のパンをご飯に変えるだけでも、体調に変化を感じる方は少なくないからだ。何も変わらなければ、元に戻せばいい。

グルテンフリーの具体的な実践方法と、食べて良いものと駄目なものについては以下でくわしく解説している。

3 COMMENTS

ケンケン

グルテンフリーに興味があるので宜しくお願い致します。

葉山

こちらこそ。どうぞ、ゆっくりとご覧になっていってください。

びんどろ

時のいたずらではなく、計画的な策略、陰謀という説も根強いです。
陰謀論で検索するといろいろ出てきます。

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