3分から始める瞑想——呼吸を整えるだけで、頭と心が変わる理由

瞑想する女性

前の記事で、こんなことを書きました。

瞑想は、ニコチンガムとタバコくらいの差がある——。

プールの中で覚えた「無心」の感覚に比べると、瞑想はずいぶん薄い。それでも10年以上続けているのは、たしかに効くから。そしてもうひとつ、理由があります。

どこでもできる、からです。


わたしの瞑想は、かなりテキトーです。

基本は自室で一日2〜4回、合計1〜2時間ほど。でも電車やバスの中でも、誰かを待っているクルマの中でも、気が向いたらやります。ベランダで煙草を吸いながら、あまりにも日差しが気持ちよくて気づいたら瞑想していて、灰が落ちてズボンに穴が開いたこともあります。一度や二度ではありません(笑)。

最初はマニュアル通りでした。ヨガマットに座って、背筋を伸ばして、指で輪っかをつくって、ゆっくりリズミカルに呼吸して、マントラを唱えて。でも今は姿勢も場所もずいぶん自由になりました。ソファに座ったまま、目をつむって、呼吸を整える、それだけで深い瞑想の状態に入れるようになりました。

習い性になっています。朝起きて顔を洗うのと同じくらい、自然にやっている。


まず、呼吸だけでいい

瞑想というと、「無になること」を目指すものだと思っている人が多いのですが、それは少し違います。

無になろうとすると、かえって雑念が増えます。「無になれていない」という雑念まで加わって、余計にうるさくなる。

目指すのは「無」ではなく、「今ここにある感覚に集中すること」です。そのための入口が、呼吸です。

やり方はシンプルです。

背筋を伸ばして、いちばんリラックスできる姿勢で座る。目をつむる。ゆっくり息を吸って、吸った以上にゆっくり吐く。吐ききったら、苦しくなるちょっと手前まで、そのまま止める。またゆっくり吸う。

それだけです。

呼吸しながら、意識を向けるのは眉間の少し奥(第三のチャクラと呼ばれる場所)。そこをぼんやり「見る」ような感じです。目で見るのではなく、意識を向ける、という感覚。うまくできなくてもかまわない。最初はそのあたりに意識があればいい。


雑念が湧いてきたら、成功です

やり始めると、かならず雑念が湧いてきます。

今日の夕飯どうしよう、あのメール返してなかった、明日の会議が憂鬱だ——。次から次へと思考が流れてくる。これは失敗ではありません。むしろ、雑念に「気づけた」ということ自体が、瞑想の核心です。

気づいたら、その思考を追いかけずに、そっと呼吸に戻す。また気づいたら、また戻す。この繰り返しが、脳を鍛えます。筋トレでいえば、重りを持ちあげる動作そのものです。

川を流れる木の葉を、岸から眺めている自分をイメージしてみてください。葉っぱが流れてきたら、追いかけない。ただ見ている。雑念もそれと同じです。


何分やればいいか

最初は3分でいいです。

3分、呼吸だけに集中する。それができたら5分、10分と伸ばす。わたしも最初はそうでした。今では1回あたり15〜30分ほど自然に続きますが、それは10年かけてそうなっただけです。

大事なのは時間より頻度です。30分を週1回より、3分を毎日のほうが、脳への効果はずっと大きい。ハーバード大学の研究でも、8週間の継続で脳の構造が物理的に変わることが確認されています。

朝起きたとき、昼休みのちょっとした隙間、夜寝る前。タイミングはどこでも構いません。ベランダで日向ぼっこしながらでも(ただし煙草は持たないほうがいい)。


続けると、何が変わるか

メンタルが安定します。

嫌なことがあった翌朝、少し楽になっている。感情に振り回される時間が減る。人の話をちゃんと聞けるようになる。自分が本当に何をしたいのかが、静かに見えてくる。

劇的な変化ではありません。でも確実に、少しずつ、変わります。

前の記事で書いたマイヨールは、海に潜る前に必ず「内なる沈黙」に入る時間をつくっていました。世界記録を塗り替えた男の、いちばん大切な習慣が、呼吸を整えることだったのです。

3分から、始めてみてください。

はやま

わたしは今日もどこかで目をつむって呼吸しています。電車の中かもしれないし、ベランダかもしれない。ズボンに穴が開かないことを祈りながら(笑)。

次の記事では、仕事のパフォーマンスを上げるための「マインドフルネス瞑想」について書きます。Googleが全社員に導入した、あの瞑想です。


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