生後7か月の子どもがいます。育休はとれませんでしたが、帰宅後はできるだけ関わるようにしています。お風呂に入れたり、寝かしつけを手伝ったり。
ところが先日、妻から「あなたが抱っこすると泣くよね」といわれました。いわれてみればたしかにそうで、妻が抱っこすると泣きやむのに、僕が代わるとまた泣きだす。お風呂も、最初は大泣きされます。
自分に何か問題があるのかと思い始めました。子どもに嫌われているのでしょうか。父親失格なのでしょうか。
(30代・Hさん)
この質問、食卓アドバイザーには荷が重い(笑) まあいいです。パパ友とジョッキを傾けているような気持ちでお答えしますね。
まず、その痛みはよくわかります。
一生懸命関わろうとしているのに、抱っこするたびに泣かれる。ママに代わると泣きやむ。その「切り替わりの速さ」に、また傷ついてしまう。世界中の父親が、その瞬間に静かにハートブレイクしてきたのだと思います。
でも、安心してください。
お子さんは、Hさんを嫌いなのではありません。むしろ逆です。
はやま
「泣く」は、脳が育っている証拠
生後6か月を過ぎたころ、赤ちゃんの脳に大きな変化が起きるそうです。
「人見知り」が始まるのです。
これは性格の問題でも、育て方の問題でもない。脳の発達そのものです。「いつも一緒にいる人」と「そうでない人」を区別できるようになる、つまり認識能力が飛躍的に高まったサインです。
泣くのは、「パパ」だとわかっているからだと思います。「ママとは違う」と感知できるようになった証拠。
はやま
なぜパパが泣かれやすいの
同じ「認識できる人」なのに、なぜママより泣かれやすいのか。
理由は、接触時間の差です。
赤ちゃんは、長い時間をともにした人の体温、におい、声、動き方を「安全」だと記憶する。ママは授乳や抱っこで、圧倒的な接触時間を積みあげてきた。体で「この人は大丈夫」と知っている。
パパはどうしても、その時間で後れを取ります。帰宅後に一生懸命関わっていても、赤ちゃんの体の記憶には、まだ追いついていない。
声の違いも関係あるかもしれません。大人は赤ちゃんに話しかけるとき、自然と高めのピッチでゆっくり話します。いわゆる「赤ちゃん言葉」ですが、その声に赤ちゃんが反応しやすいことがわかっています。
パパの低い声が、まだ体になじんでいないとこともあるかもしれません。お風呂で大泣きされるのも、裸で抱かれる感触がまだ体になじんでいないことが大きいのだと思います。
はやま
では、どうすれのか
接触を続けることで、赤ちゃんがこの人は「安全」だと認識するようになります。
でも、泣かれたときは抱き続ける必要はありませんよ。赤ちゃんにも、Hさんにも、つらすぎるから(笑)
まずは「声」から慣れてもらう。帰宅したら、抱っこの前に声をかける。名前を呼ぶ。話しかける。赤ちゃんはパパの声を、少しずつ「安全な音」として記憶していきます。
次に、機嫌のいい瞬間を狙う。眠い、お腹が空いている——。そういうタイミングは避ける。ご機嫌な時間帯に短い抱っこから始める。すると「パパに抱かれた、悪くなかった」という体の記憶が、少しずつ積み重なっていきます。
子どもは、パパを必要としている
人見知りの時期は、永遠には続きません。
やがて赤ちゃんはハイハイを始め、立ちあがり、走り出します。そのころには「パパ!」と向こうからやってくるようになります。ママにはできない遊び方、ママとは違う抱き方——。子どもは成長とともに、パパにしかできないことを求めるようになります。
今は体の記憶を積みあげている時期です。泣かれても、声をかけ続けてください。帰宅のたびに、顔を見せてください。わたしの経験からいうと、何かあるたびにふらふら、ふらふら、ふらふらと近づいていくのも効果的です。
その積み重ねは、しっかり届いています。
数年後には、Hさんの顔がお子さんにとって「世界で一番安心できる顔」のひとつになっているはずです。
はやま
※このブログの情報は、医療機関の監修を受けておらず、病気の診断、治療、予防を目的とするものではありません。記事内でご紹介している効果効能についても栄養素や成分に関するものであり、商品やサービスに関するものではないことにご注意ください。体調不良が長く続く場合は、医療機関で相談することも大切です。食卓でできること、専門家の力を借りること、その両方が、あなたの体を支えます。

