お茶というものは、世界中にある。
緑茶や番茶、ほうじ茶といった日本のお茶だけでなく、世界各地の草や木の皮や葉を煎じたものが、何千年も前から人々の暮らしのなかにあった。カフェインもタンニンも含まない。体への刺激が少なく、毎日飲んでも疲れない。そういうお茶を、わたしは気分や体調に合わせてローテーションしながら飲んでいます。
今回は、これまで飲んできたなかで印象に残っているものを、正直な感想とともに紹介します。
カモミールティー——万能で、おいしい
ハーブティーといえばまずカモミール、というくらい定番中の定番です。ヨーロッパでは古くから家庭の常備薬として使われてきました。
鎮静、保温、発汗、抗炎症作用があり、不眠、イライラ、頭痛、胃炎、生理痛、にきびや湿疹など、幅広い症状に使われています。わたしが飲んでいて感じるのは、胃腸の調子が悪いときと、眠りが浅いときによさそうだということ。
淹れ方は、茶さじ4分の1杯ほどをコップに入れて熱湯を注ぎ、15〜30分置いてから濾して飲みます。甘みがほしいときはオリゴ糖がいい。
夜、ベッドに入る前に飲んでいた時期は、ぐっすり眠れるようになった気がします。お酒よりずっといいかもしれない。お酒の方が好きですが(笑)
ルイボスティー——ミネラルの塊
南アフリカ原産の薬草茶。現地では湿疹や花粉症、アレルギー疾患の治療に使われています。アメリカ農務省が「がんや心臓病、老化の軽減に役立つ」と正式に認めているというのだから、なかなか太っ腹な話です。日本の厚労省とは思い切りが違う(笑)
特筆すべきはミネラルの豊富さで、鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛などをバランスよく含んでいます。カフェインを含まず、タンニンも少ない。夜に飲んでも目が冴えない。食事と一緒に飲んでもミネラルの吸収を邪魔しない。
少し甘みがあって飲みやすい。わたしは蜂蜜かオリゴ糖を少量混ぜて飲んでいます。飲みきれなかったものは、布やティッシュに含ませて化粧水代わりに使うこともできます。
パウダルコ——偽物を買っています
南米ブラジル原産のハーブ。アマゾン川流域に自生する木の内皮を煎じたもので、現地では風邪から糖尿病、がんまで幅広く用いられています。欧米ではカンジダや細菌、ウイルス対策のハーブとして知られています。
市場には「本物はこれだけ。あとは全部有効成分を含まない偽物」と主張するものが、ひと月分2〜5万円で出回っています。
わたしはいつも「偽物」を買っています(笑)。いろいろ調べるうち、「偽物」でも問題なさそうだと感じたからです。樹皮5グラムを1リットルの水で30分ほど煮出す。クセのある苦みがありますが、オリゴ糖を入れると飲みやすくなります。
強力な殺菌作用がある一方、善玉菌も道連れにしてしまうという難点があります。飲む場合はぬか漬けや味噌など発酵食品を併用するのが一般的です。
スリッパリーエルム——ぬめぬめしたお茶
北米原産のアカニレの内樹皮を粉末にしたものです。ネイティブ・アメリカンが数千年にわたって自然療法の薬として使ってきたことで知られています。
粉末をぬるま湯に溶かして飲むのですが、独特のぬめりがあります。これが腸の内壁に保護膜を作り、炎症をやわらげ、排泄を促してくれるのだとか。毎朝1杯飲んでいた時期は、胃もたれがなくなりました。
日本では手に入りにくいかと思いきや、Amazonで普通に買えます。100グラムで1600円ほど。1杯1グラムで100日分と考えれば、許容範囲ですね。
ひとつ注意点があります。妊娠中または妊娠予定の方は飲んではいけません。アメリカ開拓時代に中絶剤として使われていたという記録があります。
柿の葉茶——いつか、自分で
実家には柿の木があります。毎年秋になると箱いっぱいの柿が届く。甘くてジューシーで買ったものとは全然違う。妻の実家からも柿が届きますが、うちの実家のものの方がおいしいと妻も認めています(笑)
その柿の葉を煎じてお茶にできることを知ったのは、ずいぶん後になってからのことです。
柿の葉にはビタミンCがレモンをはるかに上回るほど豊富に含まれていて、カフェインを含まず、胃への負担も少ない。焙煎後の茶葉のビタミンC含有量は100グラム中1700ミリグラムほどと、なかなか驚く数字です。
ビタミンCが豊富と聞くと、さぞや酸っぱいのだろうと思われるかもしれませんが、柿の葉茶に酸味はありません。果物の酸味の元はクエン酸です。マイルドな風味でとても飲みやすいお茶です。
どうせなら自分で摘んだ葉で淹れてみたい。いつか田舎に移り住んで、庭に柿の木を植えて、秋に葉を摘んで乾燥させて——そういう暮らしのなかで飲む一杯が、いまから楽しみです。

世界中のお茶を飲んできましたが、一周して帰ってきたのは日本のお茶でした。そういうものなんでしょうね(笑)
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